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2005年05月25日

ヴァンパイヤー戦争11 (笠井潔)

九鬼鴻三郎、そして宇宙(そら)へ

ヴァンパイヤー戦争全11巻堂々の完結

九鬼鴻三郎は最後までヘタレだった気がするのはきっと気のせい<何


なんか前巻であっさり捕まってたと思ったらそのまま宇宙(そら)へ
そして相変わらず死にそうな目に遭いながらムラキたちと再開した九鬼は、
またも速攻で罠に落ちるw


そして最後には無力ながらの人質みたいなものになって「俺のことはいいからスペシネフを倒せ!」と叫ぶ始末


仕方ないよね、人間だもの


そりゃ宇宙空間に生身で放り出されたら死ぬっしょ。
核爆発の放射線に晒された死ぬっしょ?
サイパワーで内臓わしづかみ状態にされたら死ぬっしょ!?

だけどバンパイアは不死身。そもそも反則

_| ̄|○


そんな中、もう立ち位置的には人間代表(つか、ついてこれたのは九鬼鴻三郎だけとも云う)となってしまった彼は真にタフガイだと思います。
ていうか普通、11巻分も生きてらんない

この物語の真に恐ろしいところは、人間が人間程度の耐久力でしかないところである。
そして九鬼鴻三郎は基本的に人間である。
さらに物語は、人間程度ひとひねりというかほんとにひねられちゃうレベルでどんどん進む。
巻頭に初登場のキャラが巻末まで生き残れるのかとかそういうレベル。
主人公以外蝶あっさり死ぬ。さんざん煽っておいて数行のテキストで死ぬ
漫画やドラマなんかでは、「助かってよかったね、でも普通死ぬだろ」っていうシーンは数多いんですが、そういうシーンではほぼ間違いなく普通に死ぬ

もう誰が死んでもおかしくない。だがそれがいい。


正直ここまであっさり死ぬのは、ラノベに慣れすぎた所為か新鮮で仕方ない。
(推理小説とかは死体というよりもパズルのコマみたいな扱いだと思うんでそもそも除外)
人の生死には一つ一つドラマがあり、最後は主人公に望みを託してドラマチックに目を閉じる……とかじゃなくて

雪崩れたり撃たれたり喰われたりねじられたり


バリエーションは豊富ですが! ですが!!


最初はおいおいまたかよと思ってて、次第に何このヘタレとか思い始めて、
最終巻が近づくにつれ生き残れるのかこのひとどきどきした


でも、よくよく登場人物の中で比較すると九鬼鴻三郎は人間では最強レベル。
KGBやCIAの部隊を皆殺しにすることも日常茶飯事じゃないかな? ってくらいのスゴ腕ワンマンアーミー。

人外同士の戦いになると途端にヘタレるように見えるが、それは力の差が分りすぎてしまうからなのかもしれない。
逆にいえば、無謀につっこまなかったからこそ生き残れたのかも知れない。

ときどき罠にハマって助けて貰ってた気もするけどそんなことは気にしない一匹狼。

んで、そんなふうにぽこぽこ人死にが出るなかで、
被害に遭うのがKGBのゲス野郎とかだけならいいんだけど、
敵味方関係なし味方はちょい役でも味がありすぎるからとても困る
あと酷い死にかたするのは大抵味方


_| ̄|○

つか、なんか九鬼に惚れた女から死んでいく気がするんですが奴はマジで死神ですか?
カンケイ持った女性は7~8人くらいは居たと思うんだけど生き残ってるのは二人。一人はヒロインでもう一人はその付き人みたいなもの
あ、いやアフリカにおいてきた娘も居たな。三人か?


_| ̄|○ 表舞台に上がったら消されてるってことですか……?


ちなみに九鬼の妹のばあいは惚れた男の方が死んだデストローイ


正直、最初は絵買いだった。だって武内絵でヴァンパイヤーっすよ!?
でも積まなくて良かったと思う。5巻目くらいまで溜まっていた奴を一気に読んで、あとは毎回発刊が楽しみでした。
思わず見かけた旧版をドカ買いしそうになったけどそれは美しくないのでやめた

なんというか古い作品であり、ケレン味たっぷりなのですが、
主人公全然悩んでない勢いがいいです。
それからだんだん壮大になっていくところとか。もうね最高

投稿者 kagerou : 2005年05月25日 00:01

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コメント

つか単純に、「俺が確認したら削除」すればよかったですね。
すいません、直しました。ありがとです。

投稿者 かげろ@管理人 : 2005年05月25日 22:54

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