« [小説] ヴァんぷ! II (成田良吾) | メイン | »
2005年06月30日
[小説] トリックスターズ (久住四季)
ケムリに巻かれまくり。
推理小説ってのは大抵、物理法則という不文律を持っているのだけれども、
超常現象が認知された世界という前提においてその不文律に+α。
ひっくり返したり無効にしたりするほど強くはなく、
ペテンと無視できるほど弱くもなく。
前提条件が多少変わったというあたりが妥当だとは思う。
思うのだけど実際、どの範囲まで魔術が有効かと聞かれると、
まず前提条件から検討付けないといけないことになってしまう。
ナイフは刺したり切ったり剥いたり出来る。
ペンは書いたり折ったり支えたり出来る。
じゃあ、君の魔術は?
そんな感じ。
ただ、そこまでトンデモじゃないのでカンのいいひとにはストーリーはわかるかなー、
とは思うし、推理ものよりミステリ風味として読むのが素敵かもしれないです。
雰囲気や台詞回し、静かに孕む狂喜など。
最後のトンデモバトルは余計だった気がするけど、
なかなか斜に構えて読める一冊でした。
投稿者 kagerou : 2005年06月30日 02:06
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://scriptlife.hacca.jp/cgi-bin/MT/mt-tb.cgi/85