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2005年07月28日

[小説] Missing12 神降ろしの物語 / 13 神降ろしの物語・完結編

これが、最後の物語。
山の神。
伝統の中で、堰を立て、贄を捧ぎ、なだめ、あやし、すかしつつ、
御山に御座り頂いていたものを、現世に引きずり降ろす。


この物語が最後となり、すべての伏線――物語が繋がった。
空目の目的も、俊也の意志も、亜紀の誇りも。
武巳の決意も、稜子の優しさも、詠子の目的も。

これは結局のところ詠子の物語であり、
彼女の戯れと強い衝動が引き起こした、無邪気の産物だということ。
今までの、特に生贄の物語以降から成る一連の物語も、
ここでひとまずの決着が着きました。

でもあの終わり方には幾らか納得出来ないというか、
武巳が一寸ヘタレ過ぎてるというか……
彼がもう一歩踏み込んでいたら、もしかして違う物語が在ったかもしれない。
でもゲームのトゥルーエンドと呼ばれる奴は、大抵ハッピーエンドじゃないと思ってしまう俺ガイル

逆に稜子は強かったね。驚くくらい。
空目の次に割り切っていたのはこの娘じゃないだろうか。
俊也は悩むことを放棄しているようにも見えるし、亜紀はそもそも苛立っている=思考と感情が誇りでがんじがらめ


最後の最後に、魔女も魔王も消えていったけれど、
物語は「追憶者」が憶えていく限り、また戻ってくるように思えた。
都市伝説とは、そういうもので――――――

投稿者 kagerou : 2005年07月28日 03:27

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