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2005年07月27日

[小説] Missing6 合わせ鏡の物語/7 合わせ鏡の物語・完結編 (甲田学人)

合わせた鏡の四番目の貌。
曰く、鏡の中には悪魔が居る。
曰く、合わせ鏡の四番目に在るのは自分の死に顔である。


曰く、鏡の中は異次元に通じている。


学校の鏡、合わせ鏡にまつわる怪談そして怪異は、結構ポピュラーなものじゃないかと思います。
たいてい7つの不思議には数えられているし、
その内容も「吸い込まれる」とか「別の何かが写る」とか、
鏡の向こうに別の世界があるような、ものが多くあり。
実際の怪談話でも鏡に入っていく少年や、鏡から出てくる幽霊など、現実と異世界を繋いでいるような瞬間を描写したものは数多くあります。



………………そこで思うかね普通、いや想像してもそれをそうするかね……


   「入っている途中で、現実に引き戻されたらどうなるか」


それは、引きずり込まれそうなところを引っ張って助けて貰ったとかそういう生優しい話ではなくて、
むしろ異界とのリンクを断たれたらどうなるか、というに近い。
どうなったかって……そりゃあ……こう……すぱっと…………

最初は「視える」先輩の登場とその連作、
また文化祭の浮かれ具合も手伝って、
空目たちの良き理解者、協力者が増えるのかと思ってた俺が甘かった

もう後半は呪われているとしか思えない。
猟奇と狂喜と衝動と。そして確実に存在感を増していく、「向こう側」。

この物語が残した傷、引いてしまった引金がターニングポイントとなって、
魔女と魔王の物語が加速度を増していくことになる……

投稿者 kagerou : 2005年07月27日 02:14

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