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2005年07月28日

[小説] Missing8 生贄の物語 (甲田学人)

――――――足りない。
埋められていく人柱の物語。

古い建物、校舎の壁に埋まっている、
建物を取り壊したら埋まっていた者が出てきた、
というモチーフは、そうマイナーなものではないと思うのだが、
やはりそういう噂の在る場所、漆喰が剥がれたら、ナニが出てくるかわかったものじゃない場所……は、気味のいいものじゃないですよ。

特に学校とか、人の移り変わりが如実なところは。
一人二人消えていても忘れられるのが早い。


神隠しはつまるところ御山への生贄であるということ、
人柱は有効であるということ、
駒は揃ってしまったと云うこと。

折り返し地点を越えて、順調に壊れていきます。

空目たちも魔女:十叶詠子に対抗しようとするが、必然的に後手に回らざるを得ない状況。
そもそもが魔術師の手中に在るようなもののなかで、
確信犯に埋められていく人。
人が成していることであるのに、在るのは私欲ではなく、伝承という呪い。

ただ今作は物語を動かすための物語といった側面が在るように感じるので、
終わりの始まり、のような最後を迎えます。


そして、多分この物語で一番のキーになるのは、あの魔術師が戻って――

投稿者 kagerou : 2005年07月28日 00:54

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